エア漏れ可視化カメラLF10 導入後インタビュー

株式会社日本デリカサービス 様
主に大手コンビニ向けのおにぎりを製造する食品製造業である株式会社日本デリカサービ
ス様では省エネの取り組みの一環としてエア漏れ可視化カメラとリークエイドを導入いた
だきました。そこで導入に至った経緯や導入の成果、今後の省エネの取り組みに関して
設備管理部設備管理課の沖山様にお話を伺いました。(以下敬称略)

- 貴社の業務形態を教えてください。
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大手コンビニ向けの米飯、惣菜、麺などを製造している国内に14拠点ある食品製造業です。
- 弊社のエア漏れ可視化カメラを知るに至ったきっかけを教えてください。
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調べてLF10を含む2台でデモを行いました。最終的にLF10を選定した理由は他の機械と比べてもダントツでエア漏れを可視化する感度が高かったからです。
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エア漏れ可視化カメラを導入された目的は何ですか。
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製造業として製造機械をたくさん使用している中で動力は電気が多いのですが、駆動源としてはエアをよく使っています。全電力のうちの7~10%の電力使用がコンプレッサー関連であることはわかっていましたが、実際には見える化も進んでおらずロスの把握もできていませんでした。またCO2削減の取り組みにおいても、次に何をしたらいいかと思った際、電気使用量の大きさからコンプレッサーだなと思いました。また工場内でのエア漏れが常態化してしまっていたので、現場にエア漏れの損失額と漏れ補修の費用対効果はあるのかという部分をリアルタイムで見せる目的もありました。全工場の環境を管理する立場にあるので漏れ量、損失コスト、CO2排出量が簡単にレポート化できることで各工場に対しエア漏れ対策強化の指示が出しやすくなりました。
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LF10導入前はどのようにエア漏れにアプローチをされていましたか。
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以前は工場巡回した際明らかに大きい音がしていると現場に対して早急に直すように依頼をしていました。しかしどうしても感覚の話になってしまっていたので、LF10を導入することで数字を用いて伝えることができ現場で意識してもらいやすくなりました。
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現在どのようにエア漏れ可視化カメラを運用しておられますか。
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本社の設備管理の立場でいうと、各工場を年に何回か回る機会があるのでそのタイミングを利用してエア漏れ調査を行い、また半年後に同じように診断を行うことができます。半年ごとのエア漏れ改善目標を立てエア漏れ対策強化をしていきたいと考えております。第三者が見て評価をして、修繕の推奨が入る→各工場で修理対応するという体制を取っています。最終的には国内14拠点において取り組みをしていきたいです。
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とても素敵な取り組みですね。弊社としてもエア漏れ対策の取り組みを工場間の競争にすることで皆さんが前向きにエア漏れ解決に取り組めるような仕組みを作りたいと考えております。
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エア漏れの見える化という観点では各工場にカメラを貸し出し現場単位で作業をする方がよいですが、エア漏れカメラの導入費用や万が一の故障などを考慮すると本社で一括管理する方法にしました。
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弊社としても導入いただくだけではなくご活用いただき成果につなげる取り組みにしていきたいです。
エア漏れ可視化カメラを導入されてから定数的な効果は出ていますか。 -
2024年3月にカメラを導入してから1か月ほどで3工場にて調査と修理を行い、合計で年間28万円分のエア漏れ箇所が確認されました。1拠点10万円ほどの損失と考えると14工場で年間100万円を超える損失があると仮定できます。もちろん修繕費はプラスでかかりますが、修繕によりなくなるエア漏れの損失とCO2の削減量を考慮すると効果は大きいと考えます。また交換見積りが80万円となるコンプレッサーのエアドライヤーからの漏れを見つけた際、エアモアのUV補修材(リークエイド)を使用してみました。初めての使用にも関わらず漏れはばっちり止まり、4か月たった今でも変わらず漏れは起こっていません。80万円の修繕費が1/10に抑えられてとても助かりました。
LF10で可視化したエアドライヤー横配管部(圧力0.72Mpa)の漏れ箇所。(色がついているところが漏れ箇所)補修後LF10で再確認した漏れ箇所。
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エア漏れの可視化を始めた目的とそれに求められる成果は何ですか。
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CO2の削減と漏れコストの低減が求められています。エア漏れに対して数値設定はしていないものの会社として掲げている環境目標をクリアする施策の一つとしてとらえています。
今年度の環境目標としてはCO2排出量を昨年度比2%削減と掲げており、エア漏れ修繕の取り組みを含め多角的にアプローチしております。また長期的な目標では2030年には2018年度比30%減、2050年にはカーボンニュートラルを目指しております。
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今後の工場内における省エネ/カーボンニュートラルへの取り組みの課題はなんですか。
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たくさんステップはありますが、食品会社なので電装冷凍にかかるエネルギーは莫大になり全体の50%近くになります。冷やさないという選択肢はない中でこの電力使用量をどう減らしていくのかが今後の課題です。課題は大きいが効果をあげれば一気に減らせる部分です。
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フロン法が施工されフロン削減が求められる中で対フロン削減の取り組みはされていますか。
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フロンの漏洩量を減らすのもありますが、特定フロンの使用を何年までにストップするという目標も掲げております。それとともにGWPが低くCOPが高いフロンにシフトチェンジしていくような取り組みも行っています。あとはいかに熱効率を上げていくかというところに着目しております。
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自然冷媒に近づく中で圧力がどんどん上がり熱効率は下がりますよね、、。
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そうですね。また管理リスクの面でも対応ができていないので運用のところがまた課題かなと思います。
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将来的にはカーボンクレジット発行のお手伝いをして省エネ、カーボンクレジットの両軸でお客様の利益を増やしたいと考えているのですが、貴社としてカーボンクレジットへの取り組みはされていますか。
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今の状態では指針が定まっていないので、情報を集めているところです。どうしても冷やす、何かを作るというときのエネルギーは絶対に必要なのでカーボンニュートラルを目指す企業はCO2取引をするかCO2フリーの電力を購入するかの二択になると思います。そうすると今後取引の価格はどんどん上がっていくと予測されるので初速度をあげてどのように自社内で価値を生み出すのかというのがカギになると考えています。またこれからは廃棄物がカギになってくると思っていて、廃棄物をどのようにエネルギー源化するかなどの視点で取り組みができれば面白いと思っています。
本日はお忙しい中お時間いただき誠にありがとうございました。
エア漏れだけではなく食品工場様ならではの電力消費の課題についても議論できとても素敵な時間になり
ました。これからも“漏れ”に対してコミットしお困りごと解決に精進してまいります。