背景 — 鋳造・機械加工における洗浄後の乾燥工程
今回の導入先は、鋳造および機械加工を主要工程とする製造工場です。加工後の部品には切削油や金属粉が付着しているため、洗浄液を使った洗浄が不可欠です。しかし、洗浄後には部品表面に残った洗浄液を確実に除去する乾燥工程が必要であり、この工程が全体の生産リードタイムに大きな影響を与えていました。
従来、この乾燥作業にはコンプレッサーから供給される圧縮エアを使用していました。圧縮エアは十分な風圧を持つものの、エアホースの取り回しや設備の稼働コストといった面で多くの課題を抱えていました。特に大型の部品や複雑な形状のワークでは、あらゆる角度からエアを吹き付ける必要があり、ホースの長さや設置場所に制約がある中での作業は困難を極めていました。
課題 — ホースの制約と乾燥時間の長さ
圧縮エアによる乾燥作業では、エアホースの届く範囲でしか作業ができないという根本的な制約がありました。工場内に設置されたエア配管の接続口は限られており、大型ワークの全周にエアを当てるためには、作業者が何度もホースの接続先を変更する必要がありました。
また、ホース自体が重く硬いため、細かい取り回しが難しく、ワークの裏面や奥まった部分に洗浄液が残留するケースも発生していました。結果として、乾燥工程全体が長時間化し、後工程の待ち時間が生じることで生産性の低下を招いていました。作業者からも「もっと自由に動ける乾燥ツールがほしい」という要望が上がっていました。
導入製品 — コードレス電動ブロワー「バリトバシ」
これらの課題を解消するため、エアモアではコードレス電動ブロワー「バリトバシ」をご提案しました。バリトバシは充電式バッテリーで駆動するため、エアホースとの接続が一切不要です。作業者はバリトバシを手に持つだけで、ワークの周囲を自由に移動しながら乾燥作業を行うことができます。
洗浄液の除去に必要な風力も十分に確保されており、複雑な形状のワークに残った液滴も効率的に吹き飛ばすことが可能です。軽量でバランスの良い設計のため、長時間の使用においても作業者の疲労を最小限に抑えます。
導入効果 — 乾燥時間の大幅短縮と作業自由度の向上
バリトバシ導入後、乾燥工程にかかる時間は従来と比べて大幅に短縮されました。エアホースの付け替えや引き回しが不要になったことで、作業の中断がなくなり、連続して効率的に乾燥作業を進められるようになりました。
特に大きな改善が見られたのは、大型ワークや複雑形状の部品の乾燥です。作業者がワークの周囲を自由に動き回れるため、あらゆる角度から的確にエアを当てることが可能になりました。裏面や奥まった箇所への洗浄液残留も解消され、品質面での信頼性も向上しています。
さらに、エアホースの接続作業がなくなったことで、段取り時間の削減にもつながりました。工場全体としての生産効率が向上し、後工程への部品供給がスムーズになったことで、ライン全体のスループットが改善されています。現場の作業者からも「作業がとても楽になった」「自由に動けるのでストレスが減った」と好評をいただいています。
