企業概要

株式会社アルテックスは、トヨタ自動織機グループの一員として、自動車用コンプレッサー向けのアルミダイカスト製品を専門に製造しています。鋳造から加工、検査まで一貫した生産体制を構築しており、高精度な品質管理のもとで安定した製品供給を実現しています。

自動車産業における環境対応の要請が高まる中、同社でも省エネルギーおよびカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを全社的に推進しており、製造工程におけるエネルギー効率の改善が重要な経営課題の一つとなっています。

導入の経緯

アルテックス様では、省エネルギーとカーボンニュートラル達成を経営目標として掲げる中、圧縮空気にかかるエネルギーコストの削減が大きなテーマとなっていました。工場内で使用するコンプレッサーの消費電力は全体の中でも大きな割合を占めており、エア漏れによるロスの改善が急務でした。

そうした中、取引先からの紹介を通じてエアモアの音響式エア漏れ可視化カメラの存在を知りました。従来の方法では検知が難しかった微細な漏れも、カメラを通じてリアルタイムに確認できる点に大きな魅力を感じ、導入を決定されました。

導入製品

導入された製品はCRY SOUND2620 音響カメラです。本製品の最大の特長は、設備が稼働している状態でも、エア漏れの発生箇所をリアルタイムに可視化できる点にあります。

従来の聴音棒やせっけん水による検査では設備を停止させる必要がありましたが、CRY SOUND2620を活用することで、生産ラインを止めることなく漏れ箇所を特定できるようになりました。この利便性が導入の決め手となりました。

以前の対応方法

カメラ導入以前は、エア漏れへの対応は基本的に受動的なものでした。目に見える大きな漏れや、設備の停止・故障が発生した際に修繕するという対応が中心で、計画的な漏れ対策は行われていませんでした。

設備の定期停止時に合わせて確認を行うこともありましたが、限られた時間の中ではすべての配管を点検することは困難であり、多くの微小漏れが見過ごされている状態が続いていました。結果として、気づかないうちにエネルギーコストが積み重なっていたのです。

現在の活用方法

現在では、毎月実施されるTPM(全員参加の生産保全)活動の中に、エア漏れ可視化カメラを用いた点検を組み込んでいます。カメラで検出された漏れ箇所をリスト化し、翌月の保全計画に修繕スケジュールを反映させる運用サイクルを確立しました。

この仕組みにより、漏れの検出から修繕までのプロセスが体系化され、属人的な対応から脱却することができました。現場担当者が誰でも簡単にカメラを操作して漏れを発見できるため、全員参加の保全活動との親和性も非常に高いと評価されています。

導入効果

導入後の最初のTPM活動では、これまで認識されていなかった微小なエア漏れが多数検出され、5〜6箇所の漏れを修繕しました。従来の方法では発見が極めて困難だったレベルの漏れも、カメラの高感度な音響検知機能により的確に捉えることができました。

点検にかかる時間も大幅に短縮されました。以前はせっけん水を塗布しながら一箇所ずつ確認していた作業が、カメラを使用することで広範囲を短時間でスキャンできるようになり、作業効率が飛躍的に向上しています。

さらに、漏れの修繕を進める過程で、エア漏れが原因で発生していた設備の不具合も発見されました。漏れによる圧力低下が機器の動作不良を引き起こしていたケースもあり、エア漏れ対策が設備の安定稼働にも貢献することが明らかになりました。

今後の年間削減効果は約300万円と見込まれており、投資対効果の面でも非常に高い成果が期待されています。アルテックス様では、引き続きTPM活動と連動した継続的なエア漏れ対策を実施し、さらなる省エネ効果の拡大を目指していく方針です。